2016年12月 7日 (水)

模擬面接参加者募集!

 『受験ジャーナル』では、29年度試験対応Vol.6(5月1日発売)で「人物試験対策1:個別面接」、Vol.7(6月1日発売)で「人物試験対策2:集団討論・グループワーク」を特集いたします。それに先立ち、個別面接集団討論「模擬面接」を実施します。本番さながらの臨場感を味わえるばかりか、経験豊富な面接官からは適切なアドバイスが受けられ、質問もでき、受験者には好評の企画です。

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 1月1日発売のVol.2誌上でも参加者を募集しますが、先んじて「実施要領」「応募要領」をお知らせします。

★実施要領

実施日】 2017年2月4日(土)

実施会場】 実務教育出版(東京都新宿区新宿1-1-12)

対象となる方】 29年度の大卒程度試験(国家総合職・一般職・専門職、都道府県、政令指定都市、市役所)受験予定者

★応募要領

申込先】 juken-j@jitsumu.co.jp 

申込締切日】 2017年1月10日(火)15:00(受信有効)

 編集部あてにEメールにてお申し込みください。参加の可否は1月11〜13日にお伝えします。件名を「模擬面接参加希望」とし、次の事項を必ず併記してください。

氏名、ふりがな、性別、年齢、郵便番号、住所、電話番号

※実務教育出版の通信講座(公務員合格講座)の受講生の方は、受講生番号を明記してください。

●出身大学・学部

 既卒の場合は卒業年、在学の場合は学年を併記

●受験予定の試験、志望順位

 受験予定の試験は、国家総合職・一般職の場合は試験区分まで、国家専門職の場合は試験の種類まで、地方上級・市役所上級の場合は自治体名と職種までを明記してください。

例)第1志望・国家一般職行政関東甲信越地域、第2志望・東京都1類B行政(一般方式)

※機種依存文字は不使用のこと。

●自己紹介文(200字以内)

お断りこの自己紹介文は、参加者の選定の際の参考にさせていただくものです。アドバイスを行うものではありませんので、あらかじめご了承ください。

 また、当日は掲載のために写真を撮影させていただきますが、お顔は写らないようにいたします。また、掲載に当たっては、氏名はイニシャルで表記します。

 お申込みをいただいた方の中から、出身大学・受験予定の試験・男女比等を考慮してご参加いただく方を決定します。また、「個別面接」と「集団討論」のどちらにご参加いただくかは、受験予定の試験および他の参加希望者との兼ね合いで決定します。個別面接については、当日の面接の実施内容等を勘案したうえで、誌面に掲載する方を選定いたします。ご参加いただく方には、薄謝を差し上げます。なお、ご提供いただいた個人情報につきましては、本企画以外には使用いたしません。

 以上です。受験ジャーナル編集部一同、奮ってご応募、お待ちしております。

2016年12月 1日 (木)

労働基準監督官増員へ!

 電通の新入女性社員の過労自殺問題を受け、従業員に長時間労働をさせている企業の監督・取締りを強化すべく、政府は労働基準監督官を増員する方針を固めた。残業時間を減らすための制度整備と並行して、現場の体制を拡充することで、“働き方改革”の実効性を高めるのがねらい。

 労働基準監督官は、労働基準法などに基づき、企業に“抜き打ち”で立ち入り調査を実施し、是正勧告や改善指導などを行う。悪質な場合は、捜索、差押え、関係者の逮捕など、強制捜査の権限を持つ“司法警察官”。現在、全国321の労働基準監督署に3,241人が配置されている。労働者1万人当たりの労働基準監督官の数は0.53人で、イギリスの0.93人、ドイツの1.89人など欧州の先進国に比べ少ない。そのため、取締りを強化しようにもマンパワーの絶対数が足りない状況だという。

 下表のように、ここ3年間の採用予定数は横ばい。マンパワー強化のため、政府は29年度の採用予定数を75人増やしたい考えだ(法文系と理工系の合計を見ると、最終合格者数(赤字は女性の内数)は採用予定数の約2倍となっている)。

 試験名・試験区分

年度

最終合格者数

採用予定数

労働基準監督A(法文系)

28

282

101

160

27

297

109

160

26

298

101

160

労働基準監督B(理工系)

28

120

26

40

27

120

32

40

26

90

13

40

合 計

28

402

127

200

27

417

141

200

26

388

114

200

 全国の労働基準監督署が平成23年に行った企業への監督指導は約17万件。そのうち、悪質な事案として検察庁に送検される件数は年約1,000件、強制調査も年70〜80件に上る。労働基準監督官を増やせば、“抜き打ち調査”の回数も増やすことが可能となる。過酷な労働を強いられる若者たちが被害に遭うブラック企業の問題も後を断たない。29年度以降も段階的に労働基準監督官の定数を増やし、先進国並みの態勢に近づけてもらいたい。

 

2016年11月22日 (火)

井伊直虎の浜松市、国家戦略特区申請

 大都市近郊でもなければ、県庁所在地でもなく、古くから伝わる「やらまいか精神」によって、ものづくりのまちとして独自に発展を遂げて政令指定都市の仲間入りをした浜松市。マスコットキャラクター・出世大名“家康くん” “出世法師直虎ちゃん”を擁し、出世の街を旗印に掲げたPR活動に取り組み、「市民協働で築く『未来へかがやく創造都市・浜松』」を都市の将来像としている。浜松市は、来年のNHK大河ドラマ「井伊直虎」の舞台でもある。

 そんな浜松市がこのほど国が募集した国家戦略特区への申請を行い、「外国人人材の活用に関する規制改革」を提案した。政府は2016年度から2年間の国家戦略特区の新たな目標として「外国人人材の受け入れ促進」などを重点6分野に定めたが、浜松市は製造業や農業が盛んな地域特性や、多文化共生施策に力を入れてきた実績から、規制緩和の受け皿となる土壌があるとして申請を決めた。具体的には、最長3年間の外国人技能実習生の受け入れ期間を延ばすほか、現行制度で認められていない職業の変更、実習生の正規雇用など自由度を高める規制緩和、さらに子どもの教育環境拡充へ外国人学校運用の基準見直しなどを提言した。外国人が学びやすく、働きやすく、住みやすい環境の整備がねらいで、実現すればグローバルな人材の輩出や海外からの企業誘致にもつながると市は見ている。

Photo童門冬二著『井伊直虎』(成美文庫) かつて『受験ジャーナル』には,全国の首長を訪ねてお話を伺う「TOP INTERVIEW」や「地方の時代、新世紀への道」と題したロングランの巻頭グラビアがありました。童門先生には、そのインタビュアーを長年お務めいただきました。

2016年11月14日 (月)

読者モニター募集中!

 受験ジャーナル編集部では、『受験ジャーナル』29 年度試験対応Vol.1〜7の特集や連載記事の感想をはじめ、今後読みたい記事、知りたいことなどをレポートしていただく読者モニターを募集しています。

  読者モニターになっていただくと、『受験ジャーナル』最新号がいち早く無料で入手できるほか、メール等で受験についての個別相談ができるといったメリットがあります。

《読者モニター 応募要領》

募集人数:30人

応募方法 :『受験ジャーナル』Vol.1に綴じ込みの封筒用紙を切り取り、裏面のアンケートに特集、連載の感想を記入し、糊付けして送付してください(切手不要)。 ご記入いただいた内容を拝読のうえ、モニター登録をお願いする方を決定します(結果は、ご応募いただいた方全員にメールでお知らせいたします)。

締切日:12月1日(木) 消印有効(2回目以降はメールでのやり取りになります)

ご謝礼

 毎回、『受験ジャーナル』最新号を進呈いたします。Vol.1 の感想を送っていただいた方には Vol. 2を,Vol.2の感想を送っていただいた方には Vol.3をお送りする、というシステムです。なお、モニター登録をしていても、感想のご送付がない場合は次号をお送りできませんので、ご了承ください。

※学習内容や受験状況などについてのアンケートをお願いすることもありますが、その場合は、別途Quoカード(1,000 円分)を進呈いたします。

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★読者目線に立って、よりよい誌面づくりを行っていきたいと思います。忌憚のないご意見・ご感想をお寄せください。奮ってご応募、受験ジャーナル編集部一同、お待ちしております!

 

2016年11月 9日 (水)

新生・姫路獨協大学で講演

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 11月8日(火)、白すぎる姫路城のある兵庫県姫路市の“原石を磨く大学姫路獨協大学公務員試験対策講演会に伺いました。

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 地方の大学の改編が続く中、ここ姫路獨協大学も2016年4月より文系3学部(外国語学部・法学部・経済情報学部)の発展的な改組が行われ、「人間社会学群(国際言語文化学類・現代法律学類・産業経営学類)」に生まれ変わりました。法学部は「現代法律学類」へ移行し、そのうちの「法律コース」では一般行政職公務員、「公共安全コース」では警察官、消防官等をめざすカリキュラムとなっています。

 講演では、1回生を中心に、「現代法律学入門」の講義枠で行われました。「人物重視」採用傾向の公務員試験では、学生時代にさまざまな経験を積むこと、どのように学生生活を送るべきかの重要性を語りました。基本的な構成は、公務員就職の「やりがい」を中心とした説明と試験制度の説明、勉強方法。市役所を中心に、消防、警察をはじめとした各種公務員の業務内容、公務員試験の傾向と対策についてお話ししました。従前よりスポーツに強く、筋肉系で公安系の志望者が多いのですが、公務員と民間就職の併願が多数を占めており、なかなか公務員試験に絞りきって対策がとれていません。そんな状況下、今回の講演でも、近畿地方の公務員試験の動向について詳しい弊社の法律系ブレイン・幸田功先生(資格試験研究会スタッフ)に援軍として協力していただきました。姫路獨協大学では7年連続の講演でしたが、人間社会学群・現代法律学類としては記念すべき“第1期生”ということでことさら気合った次第です。

 改編による新たな挑戦をする「現代法律学類」の先生方は公務員合格実績をさらに向上させるため、実効性の高い施策の計画に意欲的に取り組んでおられます。これからも合格者を1人でも多く輩出できるよう、応援していきたいと思います。

2016年11月 4日 (金)

「働く省庁さん」が“ピコ太郎現象”に!

『受験ジャーナル』29年度試験対応Vol.1はただ今、好評発売中。その新連載「働く省庁さん」“ピコ太郎現象”を巻き起こしています。思わぬ反響に編集部一同驚きを隠せません\(^o^)/!

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 「働く省庁さん」は省庁を擬人化して、その役割を紹介するページで、著者は『ヘタリア』の作者である、日丸屋秀和さん。その熱烈なファンの間でブレイクしているようです。受験勉強中のちょっとした息抜きとして企画したものですが、読者からいろいろなご意見・ご感想をいただいています。一例をご紹介します。

「ひまさんの働く省庁さん掲載の『受験ジャーナル』買ってきた。てっきりミニキャラかと思ったら等身絵だった…! これ結構好きかも…!」

「うわさの『公務員試験受験ジャーナル』、買いにきた。来てよかった。厚労省やで。みんなぜひ。そして紹介文に、泣いた。泣いた。」

https://twitter.com/search?f=tweets&vertical=default&q=%E5%8F%97%E9%A8%93%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AB&src=typd

http://2nekoto.blog.fc2.com/blog-entry-2460.html

 第1回の「厚生労働省さん」。まだの方はぜひご一読ください。第2回(Vol.2は2017年1月1日発売)は「文部科学省さん」。乞うご期待!

 

2016年11月 2日 (水)

聖学院大学こども心理学科を応援!

Photohttp://www.seigakuin.jp/camp/kodomo/index.php

 “面倒見のよい大学 入って伸びる大学 全国13位”聖学院大学。その人間福祉学部こども心理学科より、自治体向けパンフレット制作のためのインタビューを受けました。

http://www.seigakuin.jp/camp/kodomo/katsuyaku.php

 本パンフレットは、聖学院大学のこども心理学科の募集強化を目的とし、荒川区が中心となっている「幸せリーグ」の自治体を中心に、その関係の高校へ学科の案内をするというものです。

 こども心理学科は、2012年4月、「東日本大震災」で心に傷を負うことになった子どもたちの心のケアができる人材を養成することを目的に設立されました。教育現場、地域、家庭で、傷ついた子どもの心のケアが急務となっています。こども心理学科は、教育やケアの実践につながる学びや、学外ボランティア活動を通じて、子どもにそっと寄り添える、“地域に貢献する人”を育成しています。

 インタビューでは、こども心理学科のめざす「子どもの心のケアができる人材を育てる」というコンセプトと自治体や社会の求めるニーズは、その根底において合致しているものと考える旨をお話ししました。なぜなら、“他人の気持ちを思いやることができる”ということは、公務員に必要とされる重要な資質です。他人の痛みや悲しみがわかる優しさを持って、子どもたちや弱い立場の人に寄り添い、一緒に生きることこそ、公務員として最も期待されていることだからです。子どもの心理を中心に学べば、親御さん、祖父母といった年長者やお年寄りともおのずと接点が生まれます。昨今の公務員試験は、“人物重視”といわれますが、いろいろな年齢層、職域の人とのふれあいを通じて、人間としての深みが生まれます。こども心理学科で学べば、さまざまな経験学習を通じて、思いやりや粘り強さ、人間らしい優しさといった公務員としての重要な資質を身につけることができるはずです。

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 こども心理学科では、2016年3月に第1期生を輩出したばかりですが、今後は、心理職、福祉職等の公務員を中心に多くの卒業生を送り出すよう指導強化を計画しています。公務員としての重要な資質を兼ね備えた学生さんたちが希望の道を切り開いていけるよう、新興のこども心理学科を今後も応援していきたいと思います。

2016年10月26日 (水)

人口減少が武器となる!?

 2015年国勢調査で日本の総人口(同年10月1日時点、外国人を含む)は、1億2,709万4,745人で、2010年の前回国勢調査から96万2,607人(0.8%)減少した。国勢調査で総人口が減少するのは、1920年の調査開始以来、初めてのこと。

 人口減少社会については、論文試験等でもトレンドの一つ。27年度の課題例を挙げると、

「人口減少が進む中で移住・定住が課題となっています。首都圏などから秋田への移住・若者の県内定着を進めるために、どのように取り組むべきか。あなたの考えを述べなさい。」(秋田県・大学卒業程度)

「人口減少が進む中で、子どもたちがほこりを持つ県にするためには、何をしたら良いか。」(島根県・大学卒業程度(行政)情報)

「人口減少について」(広島市1種(行政事務)情報)

「人口減少社会をむかえる中、選ばれる自治体になるにはどうすれば良いか述べよ。」(東京都東村山市・情報)

「人口減少時代において、行政がとるべき対応と役割についてあなたの考えを述べよ。(愛知県清須市・情報)

など、各地で出題が見られる。28年度の情報については、『受験ジャーナル』29年度試験対応Vol.5(2016.4.1発売)の特集「論文対策直前講座(仮)」をご高覧ください。

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 これまではネガティブな啓示をする本が多かったのだが、『武器としての人口減社会―国際比較統計でわかる日本の強さ』(村上由美子著、光文社新書)では、その認識を覆している。人口減少は経済の低迷や労働力不足など日本の難題とされてきたが、それが逆に「武器」だという。

 村上由美子さんはOECD(経済協力開発機構)東京センター長。経済をはじめ、日々膨大な分析や統計を扱っている。そうして多くの国のさまざまな統計や政策を見るうち、気づいたのが「世界経済における日本の相対的優位性」だった。村上さんは、成人の数的理解力、読解力、科学的理解力の調査で日本人が世界有数の成績と紹介(公務員試験を受けていれば、数的理解力、読解力は強くなる!)。けれどもその能力はうまく機能しておらず、「宝の持ち腐れ」だと指摘する。その優秀な能力を活用するために必要な政策として、「中高年層」の活用「女性」の活用時間を有効に使う「働き方革命」イノベーションが拡散する環境整備の4点を挙げている。このうちの女性に関していえば、読解力や数的思考力において世界で最高点の能力にもかかわらず、日本の男女間の賃金格差は27%と韓国に次いで大きい。村上さんは、こうした部分に女性の社会進出を阻害する一因を見ている。人口減少と少子高齢化が難題なのは確かなことだが、活用する人材や働き方を変えるだけで“大きな伸びしろ”が期待できるのは、日本だけだという。

 こうした考え方もできるのか… 目からうろこが落ちる、認識を新たにした書であった。チャンスととらえる“意識改革”によって、人口減少が今後の社会にとっての大きな「武器」となりえるわけだ。

2016年10月19日 (水)

日本人のノーベル賞

 2016年のノーベル医学生理学賞は、下馬評と違い、大隅良典・東京工業大学栄誉教授に決定した。大隅氏は、細胞が自ら不要なたんぱく質などを分解する「オートファジー」の仕組みの発見が受賞理由。

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 有力候補として挙げられていた研究者たちは落選し、毎年のように悲喜こもごも。これで2014〜16年度と3年連続公務員試験での出題が見られなかった。いまだ受賞者の出ない経済学賞や村上春樹氏の文学賞などに比べると、続出する医学生理学賞では2017年度も日本人受賞者のインパクトは弱いかもしれない。しかし、ミュージシャン初のノーベル文学賞を受賞した米国の歌手ボブ=ディラン氏の受賞は衝撃的。「偉大なる米国の歌謡の伝統の上に立って、新しい詩的な表現を創造してきた」とする受賞理由。12月に講演に伺う広島修道大学OB・吉田拓郎も彼の影響を受けたという。スウェーデン・アカデミーはディラン氏本人への連絡を断念し、ご本人は沈黙を貫いておられる。動向が気になるが、話題性から俄然、出題の可能性が高くなった!? ノーベル賞関連の受賞者と受賞理由はしっかり整理しておこう。

 日本の自然科学系のノーベル賞受賞が近年相次いでおり、1987年の医学生理学賞の利根川進氏以降、2016年までに計17人が受賞している。しかし、喜んでばかりはいられない。これまで受賞した研究者の業績は、30〜40代前半の若い時代に築き上げたものが多く、近年の若手研究者を取り巻く環境は一段と厳しくなっている。大学院の自然科学系で博士課程への進学率は低下傾向にあり、1993年に15.2%だったものが、2013年には8.9%に低下している。研究者の雇用が不安定であり、将来の不安から進学を断念する人も多いという。大隅教授も訴えているように、国家としては憂慮すべき状況に進んでいるといえる。だが、こうした自然科学系の研究者以上に厳しい環境にあるのが人文・社会科学系の研究者。ノーベル賞ではいまだ経済学賞の受賞者が出ていない。圧倒的に優勢な自然科学系の受賞者に比べ、人文・社会科学系の研究者はとかく影が薄い。抜本的な待遇改善が望まれる。

2016年10月12日 (水)

孤独なボウリング

【問】 次の文は、社会関係資本に関する記述であるが、文中のA・Bに該当する人物名と国名は何か。(28年度 特別区1類<改題>)

 ( A )は、著作『孤独なボウリング』で( B )のコミュニティにおいて、信頼や互酬性といった規範が弱くなったと分析し、社会関係資本の崩壊傾向が、( B )が抱える社会問題の背景であるとした。

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 社会関係資本(ソーシャルキャピタル)は、人々の協調行動が活発化することにより社会の効率性を高めることができるという考え方の下で、社会の信頼関係、規範、ネットワークといった社会組織の重要性を説く概念である。人間関係資本、社交資本、市民社会資本とも訳される。

 パットナムは著作『孤独なボウリング』において、かつてのアメリカではボウリング場がグループ客で賑わっていたのに対して、現在では一人で黙々とボウリングを行う客が増えている点に注目した。アメリカにおける社会関係資本の衰退こそが現代アメリカの抱える社会問題の背景にあると指摘した。社会関係資本が豊かであれば、市民や地域全体のつながりが密となる。パットナムは社会関係資本を測る尺度として、地域組織や団体での活動の頻度、投票率、ボランティア活動、友人や知人とのつながり、社会への信頼度を挙げている。社会関係資本が豊かな地域は、政治的コミットメントの拡大、子どもの教育成果の向上、近隣の治安の向上、地域経済の発展、地域住民の健康状態の向上など、経済面・社会面において好ましい効果をもたらす。この概念は、日本国内でも、政府や“地方創生”を推進している多くの自治体において、市民の自発的行政参加や市民団体と行政による協働のまちづくりを推進するための原動力として注目された。阪神・淡路大震災以降、その復興過程で社会関係資本が充実した地方自治体では、復興スピード、充足度などで効率のよいことが実証されている。近年、甚大な自然災害の恐怖にさらされる日本。大都市圏では今、“ひとりカラオケ”“ひとり焼肉” “ひとりファミレス”“ひとりディズニー”など、空前のおひとり様ブーム。周囲や他人に気を使わず自分のペースで楽しんでいる孤独な群集が増殖している。こうした社会関係資本が衰退した大都市圏で首都直下地震、津波等、未曾有の大災害が起こった場合、どうなるか。考えただけでも恐ろしい。

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【答】 A:パットナム、B:アメリカ